我が生きた証


非売品

●著 者 平木 冨士男
サイズ B5版
ページ 62頁
発行日 H19年1月1日

 

 

【著者の言葉】
  私の幼い頃家は裕福でした。ところがある時を境に貧乏になっていきました。私の性格は、その後の引越しや転校が影響し内気な性質が出来あがったと思っています。しかし小学校1年生の頃、父と一緒に描いた絵が大好きになり、後々の人生の支えになったことは私だけの秘密にしています。 私は昭和36年の春、名古屋に就職しました。思い起こせば無学だった親は、社会へ出て苦労しないように「子供だけは高校まで出してやりたい」となりふり構わずに働いていたのを思いだします。子どもたちも当番で夕食を作り、それが当然のように暮らしていました。しかし、私は幼かった弟妹たちを残し高校卒業と同時に県外就職しました。それからわずか2年後、父は病気で亡くなりました。弟妹たちも卒業すると私の後を追うように順番に県外就職しました。妹が就職した後、母は長男の私が名古屋へ呼び寄せ、昨年の9月には米寿の祝いをしました。 私は名古屋へ来て早45年がたち、勤めていた会社も一昨年退職しました。いま静かに振りかえると、もう帰ることのない故郷に何か大事なものを置いてきたように思えてなりません。それは幼い頃、父や母が教えてくれた先祖や親戚の話であり、わが家の歴史です。弟妹たちも一線から去りいずれ知りたいと思うであろう「彼らのルーツ」を、長兄として少しでも伝えたいと思い「我が生きた証し」としてここに書き残す次第です。

 

 



この書籍は2009年10月07日(水)に登録されました。

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